初めての採用面接で「第一志望です」の一言が言えなかった

採用面接に至るまで

  • 志望度の高くない中小企業の面接
  • インターンに参加しており,人事の方にはお世話になっていた.
  • 複数回人事や現場エンジニアとカジュアル面接をしており,今回はこれまでとは違って人事責任者との採用面接

これまでの(面接を受けた)某社との関わり

  • 複数回人事や現場の方と面談の機会があり,インターンも参加した.
  • インターンや,面談を通して,お世話になっており,正直志望度は高くないが,個人的な感情として社員には感謝していた

面接当日

面接は途中までは順調だった(ように私には思えた)

回答はロジカルに話せていたと思うし,面接官のリアクションも悪くなかった

所属していた部活も同じだったこともあり,話も弾んだ

中盤に至るころには私は緊張からほぐれ,比較的落ち着いて回答ができていたと思う.

しかし,その状況が一転するのは,面接終盤に現在の就活状況とこの会社の志望度の高さを聞かれたときだった

何も動揺することはない

面接対策本に書かれているように,また,一般的な常識から考えて,御社が第一志望です,と簡単な理由を併せて答えればよいということは理解していた

面接官も決まりきった文句のやり取りを期待していたのだろう

しかし,僕はこの質問に「第一志望です」という言葉が口から出てこなかった

そのとき,頭によぎったのは,これまでお世話になっていた人事や現場のエンジニアである

私は,事前に人事や現場のエンジニアにお世話になっており,感謝の念を抱いていた

なぜかそのときは,面接の中で欺くような言葉を発することは彼らに対する信頼を裏切るようなものだと思われた

私の中に彼らのまなざしがあり,自らの誠実さが問われているように思えた.

冷静に考えれば,そのような文句は面接での常套文句でありお互い暗黙の了解のやりとりであった

しばしの沈黙の後,私は「志望度は高いです」という一言をひねり出すのが精一杯だった

その言葉を発したときには面接官から苦笑いがもれた

そこから面接官はその面接をスムーズに切り上げ,数分後にはオフィスを出ていた

僕はああ,やってしまったと冷静に振り返ることができたのは,面接に対する緊張と興奮が冷め,帰路についてからである.