「魔法少女リリカルなのは Detonation」なのはの少女性の最期
僕は、おそらく前作まですべてのシリーズを見ていて、(ただし、Vividなどの外伝?シリーズはみていない)前作のReflectionを再度見直してから劇場に臨んだ
ファンには、お約束のシーンや百合百合しているシーンなどとても楽しめる作品になっているだろう
個人的には、キャラクターの髪型がちょっとしたシーンで変わっていたりするのがとても観ていていやされた
(リーンフォースとユーリのポニテが可愛すぎる)
そして今作は、今までのリリカルなのはシリーズ同様、なかなかにシリアスな展開が含まれている
魔法少女ものだと、ほのぼのばかりしているように思えるが、そこはリリカルなのはであり、多くのファン層を持つ魅力となっているだろう
ところで、僕が一番に魅力を感じた部分が、登場人物のひたむきさである
現実で僕たちは、あらゆる選択の場面に直面する
そして、そのたびに、少なくとも僕は損得勘定をする
目の前の行動が、自分に利するかどうかを検討し、行動する
それは人間関係においても全くの例外とは言えないだろう
しかし、なのはたちはそんなものを全く感じさせないのだ
彼女たちは、信念を持ち、それを貫いている
ここからはネタバレになるが、特に、今回のなのははいつになくそれが病的であった
そしてそれが今回初めて大きく取り上げられていると思う
(Strikersでは、それを克服したらしい描写があった。今作はA'sとStrikersの中間に位置する)
まず、なのはが子供のころの自分と対面する場面がその肝である
あれは、リリカルなのはシリーズでは珍しい回想シーンである
なぜならば、既存のシリーズでは、登場人物の心情、そしてその変化というものは、戦闘中に相手と刃を真面目ながらその葛藤の中で表現されてきたからである
そして、病的と表現したのはなぜか
なのはは小学生である(中学生だっけ?)
その年ごろの少女は、自分のアイデンティティが揺らいでいるものであろう
なのはもその例外ではない
そして彼女の笑顔には年齢にふさわしい笑顔や無邪気さがある
しかし、なのはは仲間を守ることに病的なまでに使命感を持っている
それが、それを果たす力がなければ、彼女はどうなるのだろうか、そういう心配を抱かせる病的さなのである
それは明らかに少女に似つかわしいものではないのだ
しかし、それこそが大人になり切れていない少女性を表現しているというメタ的に構造になっている気がするのである
大人は諦めや妥協を知っている
Strikersの彼女はもうあらゆる面で大人になっている
そんな彼女の成長の過程を見事に表現しているように僕は思えたのだった